BERTアップデートとはGoogleが2019年に発表した大規模なアップデートのことです。2019年の内に日本語を含む70言語以上のGoogle検索にアップデートが適用されています。

BERTアップデートの発表直後は国内でも様々な情報や考察が飛び交っていましたが、最近SEOに携わったという方の中には、「BERTアップデートって何?」「SEOにどういった影響があったの?」という疑問を持つ方も多いと思います。 そこで今回はBERTアップデートの内容やSEOへの影響、対策方法について解説していきます。

BERTアップデートとは?

バートアップデート

BERTは(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)の頭文字を取ったもの。まずはその内容についてとアップデートの概要について解説していきます。

2019年10月に発表されたアップデート

BERTアップデートは2019年10月にGoogleから公式発表され、まず英語圏においてアップデートが実施されました。その後2019年12月までに日本語を含む70言語以上の地域でも同様のアップデートが行われています。

BERTアップデートの目的については、「より精度の高い自然言語処理を行うためのアルゴリズム調整である」という説明がGoogle公式より発表されています。

簡単に説明すると「検索クエリと検索結果の関連性を高めるためのアップデート」ということになります。 この自然言語処理の技術を導入することによりグーグルが文章の意味を理解し、ユーザーの検索意図と表示されるページのミスマッチを減らすことができると期待されています。

自然言語処理とは何か?

自然言語とは、「人間が日常的に使用する自然な言語」のことを表します。同じような言葉でも文脈やニュアンスによって全く意味が異なってしまう言葉のことです。 この言葉の曖昧さを適切に処理するために「自然言語処理技術」をGoogle検索に導入することで、より検索の精度を上げることができるのです。

アップデート後の事例

実際に検索結果に表れた成果としてGoogle公式が事例をいくつかアップしています。今回はその一例を紹介します。

検索クエリ:2019 brazil traveler to usa need a visa
⇒和訳:2019年のブラジルから米国への旅行者はビザが必要です。
※参考:https://www.blog.google/products/search/search-language-understanding-bert/

上記の検索クエリでは、BERTアップデート以前は「アメリカ人がブラジルに旅行するときにビザが必要なのか」という解説記事が上位に表示されていました。しかし文章の本来の意味は「ブラジルからアメリカに旅行するときにビザは必要か」になります。

英語圏での例となりますが、「to」や「for」といった前置詞が重要となる検索クエリの意味を理解する精度が高まっていることが分かります。 このようにBERTアップデート後に検索結果に明らかな変化が生まれています。

なぜ行われたのか

検索クエリの「多様化」と「複雑化」に対処するため

BERTアップデートが行われた理由として近年の検索ニーズや検索方法の変化への対応があげられます。検索クエリの「多様化」と「複雑化」に柔軟に対応できるようにすることで、適切な検索結果を表示することが可能になるというわけです。 この2つについて解説していきます。

検索クエリの「多様化」

2010年代以降スマートフォンが急速に普及されたことにより、どこにいても簡単に分からないことや知りたいことを調べられるようになりました。

外出先で近場のレストランを検索する、友人との会話中に出てきた疑問をすぐに検索するなど、スマートフォンの普及により検索の利便性が格段に上がっています。

そういった背景の中で、検索クエリの多様化も大きく進みました。スマートフォンを見ているだけで多くの情報が入ってくるため、様々なキーワードがGoogle内に飛び交うこととなり、より高度な言語処理技術が求められるようになったのです。

検索クエリの「複雑化」

また、検索クエリの複雑化も同時に進んでいます。中でも大きく影響しているのが「音声による検索」を利用するユーザーが急増したことです。最近ではスマートフォンに向かって話しかけるだけで言葉を文字に変換することができ、それらを用いて検索や機械操作が可能になっています。また、音声操作が可能なスマートスピーカーの普及も影響しているでしょう。

しかし音声検索で読み取られた語句は複雑で長文になりやすく、また話し言葉のニュアンスを含むため文脈によって意味が大きく異なる場合があります。 BERTアップデートでは言語処理技術を導入することで言葉の細かいニュアンスを適切に理解し、検索結果の最適化を図っています。

SEOへの影響

バートアップデート

検索クエリの長さによって影響が変わる

前述で紹介した事例のように、長い検索クエリへの影響が大きいと言えます。アップデート以前は複雑で単語数の多い検索クエリ、いわゆるロングテールキーワードに対して適切な検索結果を表示させることは難しいとされていました。

しかし、BERTアップデートによって言語処理の精度が高まり、複雑な検索クエリに対しても関連性の高いページが上位に表示されるようになったと言えます。 反対に短くシンプルな検索クエリへの影響はそれほど大きくありません。そもそものGoogleアルゴリズムで十分に処理できていたキーワードに関しては、検索結果にあまり変化が表れていないということになります。

これまで評価されていなかったコンテンツが評価される可能性も

BERTアップデートにより検索結果のアルゴリズムが変わったことで、SEO順位が低かったコンテンツが評価される可能性があります。今までSEO的なライティングをせず、コツコツ人の役立つ情報を発信していた方は順位が上がるかも知れません。

しかし逆にこれまで上位に表示されていたキーワードで順位が下がってしまったというケース。これはSEOのことばかりを考えた中身スカスカの文章は評価が下がったということかも知れません。

ほとんどの場合は、本来のニーズに沿ったキーワードで表示がされるため大きなデメリットはないと考えられますが、以前よりも順位が下がってしまったコンテンツがあるとすれば記事のリライトが必要かもしれません。また機械的に生成したSEO対策も排除されるのだろうと考えています。

対策は?

ユーザーが理解しやすいコンテンツ作成

BERTアップデートへの対策ですが、ユーザーが理解しやすいコンテンツの作成を行っていれば問題ありません。
・ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを執筆
・ユーザーが読みやすい文章構成を心がける
・正しい情報を適切な表現で記載する

例えば上記のような意識を持っていることで、BERTアップデートの影響を受けることは少なくなると考えています。 BERTアップデートの本来の目的を考えると、「ユーザーファースト」を最優先に考えているコンテンツを上位に表示させたいはずですので、これまで以上にユーザーのためになるコンテンツを作成する必要があるということです。

ユーザーの検索意図を読み取る

ユーザーの検索意図を読み取るためには、SEO対策キーワードの意味をしっかりと考えることが大切です。

そのためには対策キーワードで検索したときに、他社のどのようなコンテンツ上位表示されているか分析を行い、ユーザーの立場になってコンテンツを客観的に見ることも欠かせなくなってきます。 自己満足なコンテンツを作成するのではなく、「Googleが求めているコンテンツとは何か」ということを考えていかなければなりません。

まとめ

以上、BERT(バート)アップデートについて解説しました。今回のアップデートによる影響はクエリ(検索キーワード)の10%だと言われておりますので、かなり大きなインパクトになったのではと考えています。

とはいえGoogleの考え方を理解してコンテンツを作成していれば、大体の変化には対応していけるでしょう。Google公式サイトに「Googleが掲げる10の事実」というコンテンツがあります。⇒https://www.google.com/about/philosophy.html?hl=ja

「Googleが掲げる10の事実」には、Googleが常に大切にしているコンテンツの考え方が記載されています。Googleの本質ともいえる内容が書かれていますので、お時間のあるときにぜひ熟読することをおすすめします。

実際に行うことはほとんど変わりませんが、今後のコンテンツ作りでは、Googleのアップデート内容を正しく理解した上で、ユーザーのことを第一に考えていきましょう。